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塚本壽雄(総務庁長官官房審議官)

今回のこのテーマについては、野間先生から最も適切な問題の提起をいただいたと思っている。もともと私も冒頭の説明で申し上げたときに、連携の話を入れていたわけであるが、これは、基本的には事案の解決ということが主な目的になっている。すなわち、私ども行政監察局あるいは行政相談委員が受け付けた案件が複数の省庁とか複数の機関にまたがる場合に、その解決においてすべてをカバーし、漏れのないようにするため、また、すべての人に関与を願うため、ということで連携というものを考えていた。これがスタートであったと思う。しかし、よく考えてみると、「どこへ行ったらいいか分からない」というものについて、そういう方が諦めることがないようにすべて救済の道が見つかるような手だてが必要である、という問題が提起されたわけである。

この観点からいうと、とりもなおさず私ども総務庁行政監察局としても、各方面への働きかけをもっと強める必要があるのではないか、というところが大事なポイントの一つになろうかと思われる。

まずそのために一番重要なのは、窓口を広げていくために、どこまで取り組み、どのように繋げていけばいいかというところで、事実上のワン・ストッブ・サービスみたいな形を、できるだけ多くの自治体にご理解をお願いして作っていくというような努力が、私どもとしても第一に必要ではないかと思うわけである。そういう点については、これからも追求していきたいと考えている。

2番目に実は、野間さんから大変厳しいご指摘をいただいたと思う。すなわち、例えそのような連携ができていても、ちょっと間違った内容のあるいは扱うにはちょっと相応しくない内容の相談が仮にあったような場合にも、「あそこへ行きなさい」というのではなくて「私の方から声をかけてあげておくから、そちらへ行きなさい」と、そこまでのことをやるべきではないかという趣旨のことを言われたが、おそらくこのことは、連携の仕組みを作ればお互いに「この案件についてはあそこがある」というふうなことを理解していることができるということに加えて、連携の仕組みに魂を入れるようなことが必要だというご指摘であったろうと思う。その意味において、ウンさんがISO9000ということで、行政あるいはマネージメントにおける品質管理という話をされたが(私どもも「さわやか行政サービス運動」という似たようなことを自治体にも呼びかけて進めているが)、これを苦情処理という中でもやっていかなければならないと考えれば、ISO9000という本日学ばせていただいた仕組みを私なりに苦情あっせんという現場に引き直していくと、それを実現するための私ども自身の意識改革すらも必要だというご指摘があったように思っている。そのためには、その前に、やはり連携の論じられる仕事に当たる方々の意識の面でのインフラ整備が必要であろうと思っており、私どもや自治体において市民の苦情の処理に当たる方々が、国、自治体、各関係機関を通じてどうしたメニューの取り揃えが行われているのかというところを意識していることが必要である。それは何も各行政機関の職員ばかりではなく、人権擁護委員とか民生児童委員とかいった民間のボランティア的な立場で仕事をしておられるすべての方に「こういう案件についてはこういうところにこういう仕組みがある」ということを認識していただくということに加えて、幸いなことに行政相談委員、人権擁護委員、民生委員の方々等は皆「声をかけ

 

 

 

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